遅読のすすめ
- 作者: 山村修
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/10
- メディア: 単行本
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全体の構成は
- ゆっくり読む
- 幸福な読書
- 暮しの時間
- 大食いと多読
- 読書の周期
- 本を手にして
の全5章で成り立っている。サブカル的なタイトルに比べて内容はエッセイに近いので少し肩透かしを食らったが、古今東西様々な文化人の読書観が引用されているのと、読書と食を結びつけているのが面白く、遅読コンプレックスがみるみる解消されるので、そう質の悪い本ではない。
ただ、あまり論理的な文章ではないので説得力は薄い。それと、しきりに立花隆の速読経験について触れるのがくどい。作者自身、遅読コンプレックスが強いのが明白。編集者は指摘しなかったのだろうか。
以下引用
目が文字を追っていくと、それにともないながら、その情景があらわれてくる。目のはたらき、理解のはたらきがそろっている。そのときはおそらく、呼吸も、心拍も、うまくはたらき合っている。それが読むということだ。読むリズムが快くきざまれているとき、それは読み手の心身のリズムと幸福に呼応しあっている。読書とは、本と心身とのアンサンブルなのだ。
なんとなく齋藤孝の身体論に似ていなくもない。