図書館情報学を学ぶ

はてなダイアリーで公開していたブログ「図書館情報学を学ぶ」のはてなブログ移行版です。

id:yhwhによる高山市立図書館レポ

Shizukuメンバーの一人でもあるid:yhwhが久々にブログを更新しています。もっと早く復活すればLibWorldリンク集に載ったのに・・・・・・w
復活第1号の記事は、高山市立図書館へ見学に行った際のレポートだそう。こういう種の記事は図書館ブログでは珍しいので必見!

いつか「全国図書館見学ツアー」でもやってみたいですね。ヒルズとか千代田は近いからアレですが、山中湖とか伊万里(実家から一時間くらいで行けますが)とか。援助してくれるパトロンいないかなーw

いいねー、図書館見学ツアー。自分は「場所としての図書館」に結構こだわっていたりするので、あちこちの図書館に積極的に行ってみたいのだけど、いかんせんお金と時間が無い。本当にパトロンがいてくれるといいのだけどw

英語学習サービス「iKnow!」に新しい学習アプリ「BrainSpeed」登場!

ちょっと本ブログと関係ない話ですが、個人的に衝撃的なニュースなのでご紹介。
無料で英語学習ができるWebサービスとして最近注目されている「iKnow!」に新たな学習アプリが加わったそうです。

その名も「Brain Speed」だそうです。Wii用のプログラムらしいですが、PCでもプレイすることができます。
宣伝文句は皆さんは、ドキドキする英語学習をしたことがありますか?だそうです。*1
これはヤバいです。かなり楽しい上に英語を高速で覚えさせられてしまう。学習システムに関わっている方はぜひプレイしてみてください!

筑波大による図書館ワークショップ活動

復活第1弾ということで、筑波大学の活動をご紹介。

ワークショップを通じた地域の子ども達の創造性育成支援【PDF】
http://www.tsukuba.ac.jp/public/booklets/forum/forum76/14.pdf

筑波大学では、図書館情報メディア研究科所属の鈴木桂苗先生および西岡貞一先生を中心として、公共施設での子ども向けワークショップの企画運営活動が行われています。これは、子どもの創造性を育成することを目的としており、開催する施設の特性を活かしたワークショップを開催しています。
そして、その活動の一つとして2005年度から行われているのが、茨城県牛久市立中央図書館での「図書館ワークショップ」です。

「図書館でのワークショップ開催」
http://www.camp-k.com/otona/home/column_collabo.php?id=37

具体的な内容を以下に紹介します。

2005年度 「クリケットワークショップ」

クリケットワークショップは、クリケットと呼ばれる手のひらサイズのコンピューターにモーターやセンサーを付けて簡単なロボットを子どもに制作してもらうという内容です。

2006年度 「デジかみしばいワークショップ」

デジかみしばいワークショップは、デジタルカメラと人形を使って4コマ紙芝居を制作するというものです。制作は4・5人のグループで行い、完成後はプロジェクターで投影し、子どもたちがそれぞれの登場人物の声を演じて発表会を行っています。
このワークショップの面白いところは、1つのグループが1つの作品を作るのではなく、1コマごとにグループが入れ替わって、リレー小説のようにコラボレーションしていく点です。これによって、それぞれの発想が思わぬ相乗効果を生んで非常に面白い紙芝居ができあがっていくそうです。

図書館・大学・企業の連携

上に書いたように、このワークショップでは筑波大学が企画運営を行い、牛久市立図書館が会場を提供しています。さらに、それぞれのワークショップの教材およびプログラムは、CSKグループの社会貢献機関であるCAMPより提供されています。*1
このように、図書館・大学・企業の3種の異なる団体による連携によって、ワークショップが運営されている点が注目の点です。
ビジネス支援など、図書館が個人の社会的な問題の解決を支援するサービスが最近行われていますが、今後この傾向が強まっていくならば、他団体との連携活動が非常に重要となってくると思います。

学生によるボランティア活動

この2つのワークショップ活動では、筑波大学図書館情報専門学群の学生と、図書館情報メディア研究科の大学院生がボランティアとして参加しています。ワークショップの司会や子どもの制作の支援など、ワークショップの重要な役回りを多くの学生が担っています。
実は、牛久市立図書館のワークショップには初期から私もスタッフとして関わっています。

STUDENTS 2006年9月号「学生の社会体験報告」(9ページ 常川真央の項)【PDF】
http://www.tsukuba.ac.jp/public/students/2006pdf/students060914.pdf

子どもを助ける側として参加しましたが、こちらも子どもたちの面白い発想や強い好奇心に驚かされ、非常に面白い体験ができました。
さらに、このワークショップを通じて、院生の方々などとコミュニケーションをすることができた点も嬉しかったです。自分の大学生活を考える上で非常に有意義でした。

今後の図書館ワークショップについて

2007年度も、今月下旬に牛久市立図書館でワークショップが開催される予定です。*2詳しい内容などは後日またご紹介していきたいと思いますが、今回は図書館という場を最大限に活かした内容となっており、図書館で開催する意義が十分にあると思っています。

おわりに

以上、筑波大学が主催している図書館ワークショップ活動について紹介しました。先に書いたように、この活動には私も関わっています。私にとって非常に重要な活動の1つのため、この活動と私についてまた後日書いていきたいと思います。

*1:http://www.camp-k.com/otona/ws/

*2:開催内容はhttp://library.city.ushiku.ibaraki.jp/information.html「しらべてみよう!つくってみよう!〜どうぶつ編〜」を参照。

国立国会図書館での漫画の納本状況

かたつむりは電子図書館の夢をみるか - 国立国会図書館ではあの迷(名?)台詞の元ネタが調べられない、とか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20070905/1189020963
かたつむりは電子図書館の夢をみるか - あれ、「萌え4コマ」もあまりない?
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20070909/1189355030
とはずがたり - エロ本以外の納本状況
http://d.hatena.ne.jp/mique/20070910/1189413805

私の先輩であるid:min2-flyさんとid:miqueさんが漫画の納本状況について調査されているようです。成年向けの漫画の納本率が悪いという話は最近よく聞いていましたが、『幕張サボテンキャンパス』など、よく知られている漫画も意外に納本されていないのは驚きました。id:min2-flyさんの調査を見ると、出版社もしくは取次の側に原因があるようです。それが本当だとすれば、納本しない理由をぜひ知りたいところですね。
納本は法律で義務付けられていますが現実には結構漏れが多いことは多くの方が指摘されています。このような指摘を聞くと、もう出版社に任せるのではなく所有者が自主的に納本されていない本を簡単に納本できるような機構を用意したほうがいいのかもしれませんね。復刊ドットコムにあやかって納本ドットコムとか(笑)

『フューチャリスト宣言』で図書館情報学が言及されている

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

といっても1フレーズだけですけど。

茂木 将来の課題としては、動画にどんなタグをつけるかが、非常に深刻でもあり、おもしろい問題でもあります。いまはユーザーが勝手にタグをつけているんですよね。

梅田 そこがウェブ2.0。あれはある種の発明で、要するに不特定多数の人たちが勝手にタグをつけることができるという仕組みは、短いプログラムで書けるわけですが、それを作った瞬間にワーッとタグがついた。タグは分類学図書館情報学に沿ってつけなければならないという常識をひっくり返した。タグなんていうものは専門家しかつけられないと思うんじゃなくて、誰でもいいから思いついたタグをつけてくれと言うと、いろいろなタグが、それらしいタグを中心に分布する。その全体でなんとなく正しいタグがついたと考えよう、ほとんどコストをかけずにねと。この考え方がウェブ2.0を象徴しています。

(『フューチャリスト宣言』p69-p70より)
図書館情報学に沿ったタグ付け」というと件名のことになるかと思います。やはり、ウェブ2.0をメインに置く議論では図書館情報学は古い考え方という風に捉えられてしまうのでしょうか。
個人的に気になるのは、図書館情報学ソーシャルメディアをどう飲み込んでいくかということ。私的な定義では図書館情報学とは、膨大なコンテンツの集積を有効に活用するために計算機工学・社会科学・人文科学などを援用する学際的な学問で、必ずしも図書館情報学が非ソーシャルなパラダイムの上に立つ学問であるとは限らないと思っています。実際、図書館情報学の伝統的な実践の場である図書館でも、アナーバー図書館のようにソーシャル機能を取り入れた図書館システムが導入されている例もあります。
現在のタグ付け機能は非常に注目されていますが、まだタグ付け目的の混在や同義タグの乱立など多くの問題を抱えています。これまで図書館情報学が研究してきた伝統的な分類論もまだまだ十分参考になるように思えるのです。図書館情報学ウェブ2.0が協調していく時代が来て欲しいなあと願っています。

Tulips - 筑波大学附属図書館ポータルサイト

少し専門的な内容を調査したいけれど、何を使って調査すればわからない、というときどうすればいいか。たいていの人はgoogleで適当なキーワードで検索してみるのだと思いますが、それだけでは少し心細い。どんな内容でも対応できるように総合的な道案内をしてくれるリンク集を幾つか覚えておくのが良いでしょう。
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/portal/index.php
screenshot
私の場合は、筑波大学附属図書館のポータルサイトをいつも使っています。トップに各主題別のデータベースのリストが掲載されており、学内であれば有料のデータベースを自由に使用することが出来ます。私がよく使っているデータベースは朝日新聞の「聞蔵」と日経新聞の「NIKKEIテレコン」。ネットに掲載されていない特集記事などが検索できて調査の手がかりとなるので非常に便利です。このようなデータベースを自由に使えるところに大学のありがたみを感じますw。筑波大学生の方はぜひデータベースを利用してください。

他の大学のポータルサイトについてあまり詳しくないのですが、使用できるデータベースをどのように提供しているのか、気になるところです。個人的にはTulipsのようにトップに一覧で表示されているのが使いやすいように思えます。

国際出願の支援サイトが開設されています。

少し前の話になるのですが、特許庁がインターネット上でのPCT国際出願を支援するWEBサイトを開設しました。

PCT-ROインターネット出願 支援サイト
http://www.pctro-inet.jpo.go.jp/index.html

PCT国際出願制度とは、特許庁のWEBサイトによると、ひとつの出願願書を条約に従って提出することによって、PCT加盟国であるすべての国に同時に出願したことと同じ効果を与える出願制度*1だそうです。PCT国際出願は、PCT-ROインターネット出願というシステムを利用することにより、ネット上で行えることができます。そのシステムについてガイドをするのが今回のWEBサイトの役割ということですね。
インターネット上で出願するためには「PCT-SAFE」というソフトウェアをダウンロードが必要のようです。このようなソフトウェアは一般出願でもありますが、以前特許出願に関わったときはCDでの配布のみで、非常に不便でした。最近はインターネットへの対応を強化しているのでしょうか。
それにしても、欧米日での特許制度統一の話など、最近は日本の特許制度が改善されているように思えます。優秀な研究者が海外へ流出している現在の状況への対策なのでしょうか。いずれにしろ、日本を支える財産である最先端技術がより利益を生むように今後も知的財産権制度の強化を国にはしていただきたいと思いますね。

関連サイト

PCT国際出願に関するトピックス
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/kokusai_list.htm

特許庁WEBサイトに掲載されているPCT国際出願に関するトピックスのリスト。

特許庁PCT−ROインターネット出願支援サイトを開設 - 知財情報局
http://news.braina.com/2006/1106/move_20061106_001____.html

これを読んで今回のことを知りました。ちなみに、「知財情報局」は知的財産権を専門的に扱うニュースサイトで、非常に便利です。