映画『ゲド戦記』に期待する(1)
- 作者: アーシュラ・K.ル・グウィン,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/04/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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制作発表当時、私は正直に言えば、『ゲド戦記』制作は失敗に終わると思っていた。有名映画監督の息子が監督を務めるということにマイナスイメージを抱かないほうが不自然だろう。絵のサンプルを見たときも、あまりにも画風がナウシカの画風と似ていたために、「ああ、これは駄目だ・・・・・・」と思ってしまった。この時点では、私には宮崎吾朗監督が、宮崎駿監督の息子という立場を利用しているようにしか思えなかった。
しかし、予告編を見てから、私の中で『ゲド戦記』が急に期待のもてる映画となった。テーマ曲である「テルーの唄」の静かな独唱が流れ、「人の頭がおかしくなっている」という深刻なテロップ、派手さの無い落ち着いた画風、奴隷のように首輪をつけられている少年、「少年は影を追っていた」というテロップ……。
単なるエンターテイメントにしようとしていない、この監督は本気だ。これが予告編を見た率直な感想だ。大げさに聞こえるかもしれない。しかし原作の『ゲド戦記』を読んだことのある方は少しは分かってくれるかもしれない。予告編に漂う雰囲気が、『ゲド戦記』の雰囲気を完全に再現しているかのように感じたのだ。宮崎吾朗監督は、幼い頃読んだ『ゲド戦記』に投影していた自分の「影」を追おうとしているのだと、少なくとも今の私は確信している。
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