図書館情報学を学ぶ

はてなダイアリーで公開していたブログ「図書館情報学を学ぶ」のはてなブログ移行版です。

はてなスター引用機能×GreaseMonkeyは電子リソースの「読み」を革新する

はてなスター引用機能×Greasemonkey
http://d.hatena.ne.jp/motemen/20070923/1190566916

はてなスターに新しく追加された引用機能を利用して、引用された部分をハイライトで表示するGreaseMonkeyスクリプトだそうです。この記事に対するはてなブックマークを見る限りでは、まだブログでこれを取り上げているところは少ないようですが、もっと注目されていいスクリプトだと思います。大げさかもしれませんが、自分の中ではニコニコ動画に次ぐ衝撃を受けました。
なぜなら、このスクリプトは読み手の読解力を引き上げ、質の高い電子リソース(調査報告などの1次情報や論文などの本格的な資料)がWebで評価されやすくなる効果を秘めているからです。
現在のWebでは、長文で読みにくいが詳細で正確な記事よりも、内容は少ないが短文で読みやすい記事のほうが一般的に評価されやすい傾向にあると思います。この傾向は、はてなブックマークにおいて1次情報よりも「まとめ記事」のほうがブクマ数を稼ぎやすいという現象に反映されていると考えられます。
なぜ短い記事のほうがよく読まれるのか、それはパソコンのディスプレイで長文を読むのは紙で読むよりも疲れやすく、飛ばし読みも難しいという点にあります。Webが今後、学習支援ツールのメインストリームとなっていくためには、ディスプレイでも長文を読みたくなるような、読解力を引き上げる工夫が必要になるかと思います。
はてなスター引用機能×GreaseMonkeyが読み手の読解力を引き上げる効果を持つ理由は、以下の2点があげられます。

  1. 自分の注目した部分をハイライトさせていくことで、能動的に記事を読んでいくことができる。
  2. 他人がハイライトした部分を読むことで、記事の要点を容易に読み取ることができる。

「読む」というのは基本的に受動的な行為ですが、ただ受動的なだけの行為を続けていると集中力は減退します。集中力を上げるためにはそこに能動的な行為を入れていくことが必要なわけですが、上の1はこのような集中力の維持の効果を持つのです。
さらに、他のユーザーとハイライトを共有することによって、素のままでは難しくて読めないと感じた文章を読みやすくすることができます。これはたとえば、英語の記事などを読む場合にあたりをつけて読むことができます。学術情報関係だと、学生が英語論文を読む場合などに先生がこれを利用してハイライトをつけておくなどしておくと、かなり学習効果が上がるのではないかと推測します。
この効果が高じると、対象の文章のどこに注目すべきか、その分析能力を向上させることにも繋がるかもしれません。
急いで書いたので論旨が少しおかしいかもしれませんが、このGreaseMonkeyスクリプトは是非多くの人に使っていただきたいと思うので投稿してみます。