図書館情報学を学ぶ

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抽象概念は本当に「抽象」を経るのか

抽象とは具体的な物事から一般的な法則やあり方を引き出すことを言う。だから抽象概念とは具体的な物事から導き出されるものというのが一般的な認識だと思う。
しかし、自分たちの頭にある抽象概念は、本当に「抽象されたもの」なのだろうか。本を読んで得た概念は抽象を経ずに直接頭に入り込んでいるように感じる。
リンク先の記事は「具体的な物事を例にして数学概念を理解させる」という教育方法にあまり効果が無いという研究結果があるという話だが、ここでも具体的な物事から抽象して抽象概念を得るという一般的な認識が通用していない。
抽象概念と具体的事物とはもしかしたら思っているほど密接なつながりは本来ないのかもしれない。抽象概念を理解することと、抽象概念を活用することは全く別の回路をたどっているのかもしれない。「理解」をどのレベルまで想定するかによるけれども。