図書館情報学を学ぶ

はてなダイアリーで公開していたブログ「図書館情報学を学ぶ」のはてなブログ移行版です。

考察

公共図書館と潜在能力アプローチ

不平等の再検討―潜在能力と自由作者: アマルティア・セン,池本幸生,野上裕生,佐藤仁出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/07/15メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 56回この商品を含むブログ (42件) を見る最近ほそぼそと経済学の勉強をしています。その…

Twitterとブログと電子書籍のはざまで

Twitterや電子書籍などさまざまな情報発信手段が出てきています。ブログは情報発信ツールとして、今後どのようになっていくのでしょうか。

情報大航海プロジェクトに突きつけられた2つの質問

今週は情報処理学会研究大会が開催されているということで、東大に通い詰めています。 先日8日(月曜日)は情報大航海プロジェクトのシンポジウムに出席。全体のプログラムは改正著作権法の要点の講義や、欧州検索エンジンプロジェクト Quaero に関する招待…

読書という言葉の解体

いろいろ本ブログに書くべきことが沢山あるような気がしますが、復活しやすさを優先して取り上げやすい話題から書いていこうと思います。 先日、知的コミュニティ基盤センター公開シンポジウム「現代出版研究の視座」に出かけました。当日にはTwitter上でid:…

ガバメント2.0と日本の政府ウェブサービスの現状

ティム・オライリー特別寄稿:ガバメント2.0―政府はプラットフォームになるべきだ | TechCrunch Japan ティム・オライリー氏がウェブ2.0に続く概念として「ガバメント2.0」を提唱しており、そのアプローチとして「プラットフォームとしての政府」の実現を主…

U40プレミアセッション問題、自分なりの意見

実は前回の記事を書いていたときに既に申し込んでいたのですが、全国図書館大会U40プレミアセッションに私も参加することとしました。 参加者へのメッセージには、自分なりに語りたい図書館のテーマについて書いてみました。簡単に言えば、図書館の根本的な…

科学の規範には2つの次元がある?

情報推薦アルゴリズムの効果をどう評価するのか - 図書館情報学を学ぶ 情報科学は主観評価の積み重ね - 図書館情報学を学ぶ 情報推薦および情報科学の評価のあり方について様々なご意見を頂きましたが、どうも自分の疑問が曖昧であったためか、話題の次元が…

情報科学は主観評価の積み重ね

先日、「情報推薦アルゴリズムの効果をどう評価するのか」という記事を書きましたが、各所から様々なフィードバックを頂きました。私の理解力が不十分なため、指摘を完全にまとめることはできないのですが、強く印象に残ったことについて書いてみようかと思…

情報推薦アルゴリズムの効果をどう評価するのか

以前このブログでも紹介した『集合知プログラミング』を読みつつ、細々とデータマイニングの勉強を続けているこの頃です。それに関連して情報推薦についての研究動向についても調べていたりしているのですが、そうしていくうちに疑問に感じることがありまし…

小田原市立図書館のアニメ脚本コレクションの意義

公立図書館はときに貴重資料を所蔵していることがあるのですが、珍しいことにアニメの脚本資料のコレクションを所蔵する公立図書館が現れたそうですね。

学術系ブロガーが巡回している海外ブログを知りたい

最近、海外のブログをもっと読んでみたいと思うようになり、目に付いた海外ブログを購読し始めています。そこで気になるのが、図書館系または学術系のブロガーの皆さんはどんな海外ブログを読んでいるのでしょうか?

利用履歴を活用した図書館と出版社のコラボレーションを考える

Pebble in the sky of rajendra - 図書館は出版業界に貢献できるのか 以前Twitterで盛り上がった図書館の話題をブログ記事として書いてみようと思います。

抽象概念は本当に「抽象」を経るのか

抽象概念と数学学習 - Radium Software 抽象とは具体的な物事から一般的な法則やあり方を引き出すことを言う。だから抽象概念とは具体的な物事から導き出されるものというのが一般的な認識だと思う。 しかし、自分たちの頭にある抽象概念は、本当に「抽象さ…

図書館と一般人が新聞社の脅威になった日

http://2channel2.blog32.fc2.com/blog-entry-286.html 猥褻記事問題に関する毎日新聞の謝罪に虚偽があったという話。毎日新聞側では「9年前のウェブ版スタートから猥褻記事の問題が発生していた」と内部調査結果で述べていたが、今回11年前にも猥褻記事が載…

AC入試では何が評価されるか

本日、筑波大学知識情報・図書館学類の説明会がありました。id:min2-flyさんやid:milkyaなどが在学生としてスピーチをしていて、面白い説明会になったのでは、と思います。id:min2-flyさんが話した内容は以下のご自身のブログ上に記載されているので、ぜひ読…

問題解決に本当に役立つ道具とは何か

1 良い道具とは、手間がかからない、誰もが使える、失敗が少ない、つまり利便性が高い道具であることが一般的な考え方だと思います。計算機工学もこの考えのもとに、反復的な作業を自動化することによって人の手間を減らそうとするアプローチで研究開発が行…

「トータルで見る」とチェックリスト

リポジトリの立ち上げ、コンテンツ拡大、利用拡大のためのチェックリスト(英国) | カレントアウェアネス・ポータル http://www.rsp.ac.uk/news/news2008-06-26-checklists.php 先日の図書館サービスの話と関連して。リポジトリ立ち上げのためのチェックリ…

サービスを始める最初のステップは「ユーザーを作る」ことだと思う

図書館断想 要約するとWeb2.0のスタイルに従って「なんとなく」立ち上げた図書館サービスは失敗するから、もっと慎重に考えるべきだ、という意見なのだと思います。 そこで疑問なのは、人気のWeb2.0サービスと使われないLibrary2.0サービスの違いは何か、と…

「トータルで見る」と失敗学

図書館断想 「トータルで見る」という考え方は図書館だけでなく、様々なサービス運営で重要なことだと思うのですが、それを学ぶのはなかなか難しいですね。まずどのぐらいの観点をもてば「トータル」になるのかは、運営経験が相当無いと判断できない。本来「…

無方式主義という著作権の弱点

先日、クリエイティブ・コモンズについての記事を書いてから、著作権についてつらつらと考えていました。 あくまで私の考えですが、著作権の「無方式主義」は長所であると同時に権利の活発な活用を阻害する弱点になってしまっているのではないでしょうか。 …

Shizukuの今後を考察する(1):コミュニティの「囲い」にあたる機能

先日、図書館情報システム「Shizuku」に関する論文を公開しましたが、早速id:katz3さんから感想を頂きました。 図書館断想 id:katz3さんありがとうございますm(_ _)m 様々な観点から論じて頂きました。せっかくなので、頂いたご意見を材料に、私なりのShizuk…

実名で活動してたほうがプライバシーは制御しやすいのかも。

最近Amazonの「ほしいものリスト」がデフォルトで公開されることで問題が起きているみたいですね。 密かな趣味が全公開--Amazonのウィッシュリスト、改め「ほしい物リスト」に注意?:CNET Japan Staff BLOG - CNET Japan 正直な感想としては、「なにをいまさ…

メディアと身体性

時間と空間を乗り越える「メディア」 メディアとは、情報を受け取るための媒介となるもののことを指します。古くはのろしなどがそのような役目を果しました。そこでは、メディアは「その場」限りの存在であり、同じ空間にいない者にはそれを伝達することがで…

「場所としての図書館」とメディア

私の「場所としての図書館」論 以前、「次世代の「場所としての図書館」のあり方を自分なりに考えてみました - 図書館情報学を学ぶ」という記事を書いたことがありました。そこでは図書館から「話し合いの場所」としての有用性を見いだして「図書館員が利用…

Webの読書コミュニティ=小説コミュニティなのが少し不満

photo by San Mateo County Library 読書コミュニティとその傾向 Project Shizukuの開発に参加してから、Web上の読書コミュニティに興味を持つようになって色々なところを閲覧したり参加するようになりました。 なかなか見つからない本を検索したり、本を管…

科学の読み物が昔から好きでした。

理科学系児童書出版のマーケティング : 丸山高弘の日々是電網 The First. http://maru3.exblog.jp/6559677/ とある図書館で最も利用されている科学系の児童図書がほとんど絶版や品切れの状況になっているというお話。 以下私の子どもの頃の話。私が人生で初…

納本ドットコムを実現させるには?

先日の記事「国立国会図書館での漫画の納本状況 - 図書館情報学を学ぶ」で提案した納本ドットコムですが、図書館系ブロガーの先輩方々から好評をいただいているようです。皆様ありがとうございます。 納本ドットコムのような機構は、おそらくシステムだけで…

「電子図書館の神話」の崩壊

1 最近、図書館関係の話をまったくしていないので、少し取り上げてみます。 電子図書館のその先は - 図書館退屈男 なぜいまさら図書館という「館」や「物理空間」になぜ拘るのだろう。オンラインでの利用者さえ多ければ、それでよかったのではないのか。「電…

ブログ論メモ1:ブログと自意識

1 大概のブロガーが書いたことのある「ブログ論」についてのメモ。自分のはてなブックマークのリストからブログについて言及している記事をピックアップしてみました。 weblogについて。 - 記識の外 ARTIFACT ―人工事実― : うざがられる自分語り ウェブ上の…

人々はWEBの世界地図をどう描くか

哲学・社会学系のブログ「まなざしの快楽」(d:id:pikarrr)に習って、本ブログに「人々はWEBの世界地図をどう描くか」というサブタイトルを付けてみた。文は自分がこれから書こうとしている内容に対応して変更していくつもり。ひと月ほど更新が滞っていたが…