図書館情報学を学ぶ

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テアイテトス

プラトン全集〈2〉クラテュロス・テアイテトス

プラトン全集〈2〉クラテュロス・テアイテトス

結局読み終わるのに6日かかったorz・・・。長い戦いだった。だが、それに見合うだけの大きな知識を得たと思う。
「テアイテトス」は、「知識」の定義についての対話編である。登場人物は、ソクラテス、数学者テオドロス、若者テアイテトスの3人である。ソクラテスは、問答によって相手の思索を助けるという例の「産婆術」を用いて、テアイテトスの「知識」の定義に関する思索を良い方向に導こうとする。
「テアイテトス」では、知識の定義として、3点の仮説が登場する。すなわち、

  1. 知識とは感覚である。
  2. 知識とは思いなしである。
  3. 知識とは思いなしに言論を加えたものである。

の3点である。これらの定義について、ソクラテスは様々な問答を持って、その正当性を検証していく。
結局これらの定義は全て否定され、知識の定義についての結論は出てこない。だが、知識について考えるときにこれらの反論は有効な判断材料となるに違いない。私の専攻である図書館情報学では、知識や情報の定義について研究している学者もいるので、もしかしたら「テアイテトス」で読んだこれらの論議を活用するときがあるかもしれない。