図書館と一般人が新聞社の脅威になった日
猥褻記事問題に関する毎日新聞の謝罪に虚偽があったという話。毎日新聞側では「9年前のウェブ版スタートから猥褻記事の問題が発生していた」と内部調査結果で述べていたが、今回11年前にも猥褻記事が載っていたということが発覚したらしい。
ここで興味深いのは、11年前の記事を大学図書館・国立国会図書館のマイクロフィルムから入手したということ。
414 名前:名無しさん@九周年[] 投稿日:2008/08/11(月) 21:51:17 id:dd6VF8p80 なお、物証自体はここで手に入ります。 http://sinbun.ndl.go.jp/cgi-bin/outeturan/E_S_kan_lst.cgi?ID=007278 007278 The Mainichi Daily News(創刊:1960) マイクロ資料 独協大学図書館 国際基督教大学図書館 国立国会図書館 毎日新聞東京本社情報調査部 東京大学大学院情報学環・附属社会情報研究資料センター 早稲田大学図書館 新聞ライブラリー/日本新聞教育文化財団 毎日新聞大阪本社調査審議室図書室 福岡大学図書館 神戸学院大学附属図書館 上記の図書館にてマイクロフィルム資料として残っている物を プリントすれば記事が手に入ると思われ。
たぶん雑誌記事索引や図書館内のデータベースシステムを利用して見つけ出したのだと思うのだけど、司書過程を履修した自分から見ても凄い調査能力だ。発見した記事をエクセルにきれいにまとめているところとか、神がかっている。。。
調査したのは俗に「鬼女板」(既婚女性板の略)と呼ばれる2ちゃんねるの板に集う主婦の方々らしい。もしかすると、司書資格を持つ人や、図書館勤務経験のある人がいたのではないだろうか。マイクロフィルムの存在など、図書館について勉強でもしない限り分からないような気がする。もしそうだとしたら、司書課程の設置が図書館員養成とは別の方向で効果を発してきているのかもしれない。
今回の告発そのものの意義についてはさておいても、図書館のコレクション保存の重要性が近年で最も示された出来事ではないだろうか。インターネットの情報網と図書館の雑誌記事コレクションが組み合わさると、時を超える脅威的なメディア監視システムへと化けることが示されたのである。
はたしてこの監視装置が効果を発するのは毎日新聞だけか、もしくは別の新聞社もまた危険性があるのかもしれない。なにしろ、すでに書いたものは国立国会図書館に永久に保存されているのだから……。
追記
「マイクロフィルムなんて誰でも知ってる」というブクマコメント多数。冷静に考えてみれば歴史の調査が必要な卒業研究をなさっていた方などは常識的な知識・スキルでしょうね。思慮の浅い発言でした。反省します。
補足しておきますと、自分自身はマイクロフィルムで新聞記事が保存されているということは大学の講義を通して知っていましたし、図書館に実習に行った際に使用方法も教わりました。利用者の方への補助なども若干しました。
上記で伝えたかったのは歴史学などの専門的な場ではないところでマイクロフィルムという媒体が登場したことに驚いたということです。マイクロフィルムの再生機が減ってきているというお話も聞くので、こうやってしっかり活用されている例が現われていたことが嬉しかったわけですね。