図書館情報学を学ぶ

はてなダイアリーで公開していたブログ「図書館情報学を学ぶ」のはてなブログ移行版です。

「大規模デジタル化時代における『知』との接点」(第12回 図書館総合展フォーラム)

id:humotty-21 さんより依頼を受けて図書館総合展フォーラム「大規模デジタル化時代における『知』との接点」の記録を担当したので、本ブログに掲載します。

イベント概要

大規模デジタル化時代における『知』との接点−Wikipedia電子書籍Twitterの潮流をライブラリアンはどう受け止めるか

  • 場所: 第9会場
  • 日時: 11月24日(水) 13:00〜14:30
  • 主催: (株)ネットアドバンス
  • 協力: アカデミック・リソース・ガイド(株)
  • コーディネーター: 佐藤翔(筑波大学大学院)
  • パネラー:
http://d.hatena.ne.jp/sogoten/20101102/p23
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要点:全国図書館大会U40プレミアセッション問題( at Twitter)

最近Twitterに絶賛引きこもり中の私です、お久しぶりです。
今年10月29日に全国図書館大会にて「U40プレミアムセッション」という年齢制限つきの企画が立ち上がっているようです。

具体的には、その制限とは以下のようなもののようです(参照:http://futurelibrarian.g.hatena.ne.jp/)

  • 40歳以上の図書館関係者は発言を控えてオブザーバーとして参加する
  • 委託・指定管理など、いまの図書館の目の前の話は禁止

ところが、その制限に問題があると、 id:min2-fly さんを中心としてTwitterにて議論が巻き起こっていたようです。

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ブックハンティング問題まとめ

最近話題になっている「学生による選書」に関する記事をまとめてみました。単純時系列です。

以下関連している(かもしれない)記事

「SBMによるパスファインダー」計画まとめ

図書館系ブログ『愚智提衡而立治之至也』にて管理人のG・C・Wさんが推し進めている「SBMによるパスファインダー」に関する一連の記事を勝手にまとめてみました。何か問題があれば修正・削除しますのでお申し出ください > G・C・Wさん。

計画始動に至るまで

G・C・W氏の計画関連記事

以上、現在までのまとめです。今回の場合は1つの記事にまとめるのが適切だと思いますので、適宜修正していきます。その際には「案内」カテゴリーの記事でアナウンスします。

以下追記

図書館は有料化すべきか論まとめ(3)- ダイジェスト版

年が変わっても、図書館有料化の議論は活発に続いているようですね。今回も図書館は有料化すべきか論のまとめ(2)〜もし有料化されたとしたら〜 - 図書館情報学を学ぶ前回と同じように全体の流れの解説を付けたまとめ記事を書くつもりですが、長引くかもしれないので先に記事のリンクだけを掲載したダイジェスト版をお送りします。
解説付きの記事は近日中に公開する予定です。

図書館は有料化すべきか論のまとめ(2)〜もし有料化されたとしたら〜

先日まとめた「図書館は有料化すべきか論+日本では公共図書館の意義はあるのか論。現在のまとめ」の続報です。12月20日から12月24日の5日間に投稿された関係記事を主題別にまとめてみました。
前回は図書館法の話や公共図書館の意義など、理念的な議論となっていました。一方、今回は実際に有料化したらどうなるかという、現実的な議論へと移行しています。

有料サービスの収入はどこに入るか

日々記―へっぽこライブラリアンの日常―: 図書館有料化の話に少し便乗してみる。
http://hibiki.cocolog-nifty.com/blogger/2007/12/post_b576.html

図書館の無料化原則を支持した上で、もし利益が図書館に還元されるような仕組みがあるのなら、有料化、やってもいいだろうと主張されています。
現在の公立図書館の制度では、そこでの利益は自治体もしくは管理を委託された指定管理者の収入として計上されます。なので、図書館内で有料サービスや広告などを行ったとしても、それが図書館の管理費に使われるとは限りません。
公共図書館の有料化を行うとしたら、実際は部分的なサービスの有料化となると思いますが、そのためには利益がしっかり図書館に還元されるようなモデルを考えていく必要があるのかもしれませんね。
上の記事のコメント欄にて、まる3さんも、まず必要なのは、図書館の単独会計化ではないかと、思う訳です。と書かれています。

図書館を有料にしたらいくらかかるか

上記記事ではサービスを部分的に有料化した場合を想定した意見を述べていましたが、以下では図書館のサービスをすべて有料化という、より大規模なシミュレーションが行われています。

図書館雑記&日記兼用:図書館有料化 - livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/lib110ka/archives/51440286.html

こちらでは、「市場化の時代を生き抜く図書館―指定管理者制度による図書館経営とその評価」にて算出されている、図書館サービスごとの利用コストの試算が紹介されています。その上で、 これをふまえて、図書館サービスを有料化するとしたらいくら取りますか?と問いかけています。

死ぬほど大雑把に有料化した場合にとられる利用料金を試算してみる - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20071221/1198262075
大ざっぱすぎたので訂正-公共図書館を利用利用金で運営するとしたら? - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20071223/1198368561

こちらでは、id:min2-flyさんが『日本の図書館』2006年度版に掲載されている経費のデータから、有料化された場合に発生する個人の年会費の料金を算出しています。
結果は、公立図書館の場合、年会費は最低でも4000円〜6000円となるとのこと。ただし、有料化による著作権料の支払い義務の発生と、利用登録者の減少が記事では指摘されており、現実的にはこの試算を上回る金額になるようです。

図書館有料化論の今後

有料化のシミュレーションが為されるなど、建設的な方向へ議論が進んでいますが、これに関連して今後どのように図書館の議論を進めていくかについて記事が書かれています。

図書館で、うちらは一体どうなりたいの? - 図書館学徒未満
http://d.hatena.ne.jp/aliliput/20071221#p1

図書館がある目的の産物である以上、その存在意義を評価する方法は只一つです。すなわち「その目的を達成できているかどうか」で判断する。だから「図書館要るか要らないか」の話をするんだったら、その前に「我々は一体どうありたいのか」という話をするべきだと思います。

人が、学校が、村が、街が、市が、県が、地方が、国が、今後どうありたいのか、どうなって行きたいのか、その為に図書館には如何なる役割を期待しているのか、公共性ってそういうことじゃないの?民営化良い悪いとか存在意義云々というのはその先の話です。

図書館の存在意義について消極的に議論するのではなく、図書館の理想を語った上で現状を批判するというポジティブな方向で議論すべきと主張されています。これは、今後ネット上で図書館の建設的な議論がなされるためには非常に重要な視点だと思います。このような議論が行われれば、利用者の要望が図書館サービスに取り入れられ、図書館運営の改善に繋がるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

公共図書館さん、実戦的な援護理論は筑波大学からも降ってきませんよ - Tohru’s diary
http://sakuraya.or.tp/blog_t/index.cgi?no=440

公共図書館とはなんぞや、から始まり、その目的や役割を説いた学術的な理論などは、自らの事業活動の根拠として当然必要なのですが、しかしそれを現場でそのまま使用するというのは無謀なことだよね

公共図書館は現場と学術が剥離して結びついていないのが現状なのかな、と。

現場と学術が連携できていないという指摘は図書館情報学界隈でよく聴きます。これについては学生である私には何ともしがたいです。現職の図書館員の方のブログが増えて、Web上で意見交換が成されれば、現場と学術とが連携できるのではないかと期待しています。

「図書館法改正」というテーマでのワークショップ - ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版
http://d.hatena.ne.jp/arg/20071224/1198431854

一回、「図書館法改正」というテーマでワークショップをしてみたい。図書館を論じる場合、シンポジウムやパネルディスカッションをするよりも、実は聴衆も含めて、図書館法の改正案をまとめてみるといいのではないか。1日がかりになるだろうが、半日かけて各自で改正案を考え、その上でグループワークで議論し、最終的に一つの改正案にまとめてみるという構成はどうだろう。

ACADEMIC RESOURCE GUIDEのid:argさんによる、「図書館法改正」ワークショップ開催の提案。
最近では図書館ブロガー同士のオフ会が開かれるようになっているので、このような本格的な意見交換会も十分に実現可能ではないかなと思います。
なんとか実現できないものでしょうか。実現したら是非出席したいと思います。

おわりに

なんか前回よりもかなり時間がかかってしまいました。ところどころ私の感想が入っていてもはや「まとめ」ではなくなりつつありますが、そのあたりはスルーしてください。何か問題などありましたらコメントまたはブクマでご連絡ください。修正します。
ACADEMIC RESOURCE GUIDEに取り上げられたこともあり、図書館有料化に関する議論が活発になりつつあります。図書館に興味のあるブロガーの方、是非あなたなりの図書館有料化論を書いてみてはいかがでしょうか。それが、今後の図書館を変えることになるかもしれません。
私も今後また議論が進展しだい、まとめさせて頂きたいと思っています。今回のまとめの記事を書かれたブロガーの皆様、素晴らしいお話を聞かせていただきありがとうございました。

図書館は有料化すべきか論+日本では公共図書館の意義はあるのか論。現在のまとめ

最近図書館ブログ界隈で、図書館の有料化に関する議論が出ていますね。
今回の議論を時系列に追っていきましょう。最初は、以下の記事にて図書館の無料化原則について疑問視する主張がかかれます。

表面的な注意では気づかないこと - Ceekz Logs (Move to y.ceek.jp)
http://private.ceek.jp/archives/003151.html

この記事の後、しばらく間をおいて、以下の記事が投稿されます。

図書館法 改正 : 丸山高弘の日々是電網 The First.
http://maru3.exblog.jp/6570792/

【改正図書館法(案)】(入館料等)
第XX条 公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対する対価を徴収してはならない。但し、図書館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる。

こんな条文で、日本の公立図書館はどう変わるだろうか?
シミュレーションしてみるのもおもしろかもしれない。

この記事を発端として、議論が始まりだします。

「なんで図書館は有償じゃないん?」とか「有償じゃないと利用者増やすメリットないん?」とか - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20071216/1197790117
無料だからできること - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20071218/p1
有料化、有料化というけれど
http://sakuraya.or.tp/blog_t/index.cgi?no=438(補足記事→http://sakuraya.or.tp/blog_t/index.cgi?no=439)

また、ここの議論から派生して、日本での図書館の意義についての議論がなされています。

2007-12-18
http://d.hatena.ne.jp/aliliput/20071218
日本における公共図書館の意義 - 図書館学の門をたたく**えるえす。
http://d.hatena.ne.jp/humotty-21/20071218/1198004253
2007-12-19
http://d.hatena.ne.jp/aliliput/20071219

さらに、以前図書館系意外のブロガーとも交えた、図書館の意義についての議論を踏まえたうえで、id:min2-flyさんが公共図書館の有用性とその評価について書かれています。

約1年前の図書館論争いっき読み - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20071219/1198087179

今のところ図書館系ブロガーの議論の経過はこんな感じです。また進展があればまとめたいと思います。
今回の議論は、図書館の無料化原則に対する批判からスタートしています。公共図書館が無料である理由は、図書館を使って誰もが情報を得たり学習できるようにするため、つまりは情報アクセスと生涯学習の権利を保障するためにあると端的には言えますが、そのような保障をする必然性が現代の日本にあるのか、という批判へと議論は発展していると私は捉えました。
さらに、有料化の議論がなされるようになった背景として、改正教育基本法によって図書館法が改正される可能性が出てきたことが挙げられます。図書館系の学術雑誌でも指摘されている点です。図書館法では、図書館のサービス有料化は禁止されています。一方、博物館法では、原則無料ではあるけれど、必要に応じて料金を徴収することができます。この補足を根拠として、現在多くの博物館では有料となっています。図書館法が改正されれば、博物館法のような補足が付けられるのではないか、という話からまる3さんの議論の発端の記事へと繋がります。*1
今回の議論の特徴は、「日本における図書館」という、一つの国に話を限定している点でしょうか。アメリカは移民対策という側面があり、イギリスでは治安維持という側面があるなど、それぞれの国の事情によって、公共図書館の意義はまた異なっていきます。
日本では図書館の公共性について一般の人々はあまり重要視されていない感覚がありますが、それがなぜ生じるのか。私的にはアメリカと日本の生涯学習体制の違いなどが挙げられるのではないかと思いますが、各国の文化比較から質的な図書館の公共性の妥当性を考えることが今回の議論で必要なのかもしれませんね。
また、id:min2-flyさんが最後の記事で述べているように、コストに関わる議論では図書館の有用性を評価する尺度を定義する必要があります。もし多くの人にとって有益なサービスを図書館が提供していると判断できれば、図書館の無料化は妥当であると言えます。一方、図書館の提供するサービスがたとえ有益だとしても、それがごく限られた人しか利用しないというのであれば、無料化の根拠は弱まってしまうかもしれません。このような量的な基準から、図書館の無料化の妥当性がどこまであるのかを見ていくのも必要でしょう。
まあ、このような議論は図書館情報学系の論文上で既になされていることかもしれませんが、そういった専門的な視点がぜひともネット上で展開されるといいなあと思ってます。

追記

id:copyrightさんの記事「無料だからできること」を追加

  • 2007/12/21:まる3さんの記事「図書館法 改正」を追加した上で、全体的に書き変えました。混乱を避けるため今後の修正は、別記事にして行うことにします。

*1:この話になると、有料化はネガティブに捉えられることが多いのですが、まる3さんは肯定的に捉えた上で議論をしようと思われているようです。